米国で「不法移民ビジネス」が大繁盛
トランプ政権の「後押し」で潤う業界
2019年1月号
中南米諸国からの移民に揺れる米国で、不法移民の収容を受け持つ民間企業が急成長している。
不法移民を国境から収容施設まで運ぶ輸送会社や、監視機器を作るハイテク企業もドナルド・トランプ米大統領の移民制限政策で潤っている。各社はトランプ大統領ら政権幹部と太いパイプを築いており、「移民ビジネス優遇政策だ」との批判もあがる。
民間収容所事業は二社の寡占
何かと論議を呼ぶトランプ大統領の政策で、最も感情的で、強い反応を引き起こすのは、移民政策である。
昨年十二月に、不法入国で国境警備隊によって拘束されていた、グアテマラ人の七歳の少女が死亡した事件は、日本でも報じられ、ネット上で「非人道的だ」「いや、子供を連れてきた親が悪い」と論争を巻き起こした。
だが、日本で全く触れられなかったのは、トランプ大統領が、前任のオバマ大統領よりも熱心に、不法移民のための収容施設を拡充しているという事実だ。トランプ政権は二〇一九会計年度予算で、全米の収容所のベッド数を現行の四万床から五万二千・・・