「衆参同日選挙」の誘惑
今度こそ安倍がやりたい理由
2018年12月号
永田町に再び得も言われぬ微妙な風が吹き始めた。参院選の前年の秋ごろになると必ず噂に上る「衆参同日選挙」だ。二〇一六年の参院選の時もそうだった。最終的に首相安倍晋三の判断で同日選は見送られることになったが、安倍は最後までその可能性を探り続けたことも事実だった。衆参同日選挙を可能にする通常国会の召集日を一月四日にしたことが同日選挙説に説得力を与えた。
通常国会の会期は百五十日間。一六年は閏年のため会期末は六月一日だった。参院議員の任期満了日との兼ね合いで投票日の選択肢が広がり、安倍は衆院解散のフリーハンドを手にした。現に「一月四日召集」は野党側を強く牽制、自民党内を引き締めるという絶妙な政治的効果をもたらした。
もちろん解散には大義名分が必要だ。一六年の時は消費税率の引き上げの是非が焦点となった。消費税率の引き上げは一二年に成立した「社会保障と税の一体改革関連法」にある。成立時には一四年四月にそれまでの五%から八%、その後一五年十月に一〇%に引き上げることが決まっていた。八%には法律通り引き上げられたが、消費が激減し、景気が大きく後退した。
この苦い経・・・
通常国会の会期は百五十日間。一六年は閏年のため会期末は六月一日だった。参院議員の任期満了日との兼ね合いで投票日の選択肢が広がり、安倍は衆院解散のフリーハンドを手にした。現に「一月四日召集」は野党側を強く牽制、自民党内を引き締めるという絶妙な政治的効果をもたらした。
もちろん解散には大義名分が必要だ。一六年の時は消費税率の引き上げの是非が焦点となった。消費税率の引き上げは一二年に成立した「社会保障と税の一体改革関連法」にある。成立時には一四年四月にそれまでの五%から八%、その後一五年十月に一〇%に引き上げることが決まっていた。八%には法律通り引き上げられたが、消費が激減し、景気が大きく後退した。
この苦い経・・・