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連載

Book Reviewing Globe 415

問われるシンクタンクの役目

2018年12月号

 世界の有力企業より世界の有力シンクタンクの方がこの百年間を通じて逞しく生き残った。
 二十世紀初頭に生まれたカーネギー国際平和基金、外交問題評議会、英王立国際問題研究所(チャタム・ハウス)、ブルッキングズ研究所などのシンクタンクはいまなお世界の政策研究の最先端におり、政策立案に影響力を持っている。
 現在、世界には七千八百のシンクタンクがある。その数はますます増えている。グローバル化とデジタル化を存分に活用できるシンクタンクは国際社会における発言力を増している。
 しかし、世界のシンクタンクはいま、ポピュリズムの反乱と地政学の逆襲に直面している。
 第一次世界大戦と大恐慌、ファシズム・ナチズムの勃興と第二次世界大戦を経る中で、世界のシンクタンクは、平和と安定を維持する「国際秩序」の構築という「大構想(think big)」に挑戦した。国連、マーシャル・プラン、核抑止論、いずれもそうである。
 冷戦後、世界のシンクタンクはグローバル化に伴って、国際金融、気候変動、グローバル・ヘルス、核拡散、テロ、サイバー・セキュリティーなどのグローバル・・・