西風451
「大阪万博決定」で財界の憂鬱
2018年12月号
招致決定の瞬間に、それまでの慎重論や反対論は脇へ追いやられた。十一月二十四日未明に二〇二五年の万博開催地が大阪に決まり、メディアは祝福ムード一辺倒である。一三年九月、東京五輪・パラリンピックの開催が決定したときにも似たような空気があった。東京ではその後、次から次へと問題が噴出し、今もなお不安を抱えたまま二〇年に向けた準備が進められている。大阪万博が似たような道を辿ることは容易に想像ができるが、最も苦労するのが地元財界とみられている。
「従来のいわゆる奉加帳方式での資金獲得手法ではなく(中略)新たな発想、手法による民間資金の積極的な活用を模索する」
これは二年前に大阪府が作成した「万博基本構想案」に掲げられた崇高な理念である。これが単なる「お題目」で終わることは、実はすでに決まっていた。計画段階での会場建設・整備費は約一千二百五十億円。これを大阪(府・市)、国、財界の三者で等分負担する。単純計算で四百億円余り。関経連の加盟社は甲種会員の法人で五百社強。単純計算で一社あたり一億円弱の負担となるが、中小企業には現実的な数字ではない。
今年に入り、「結局奉加・・・
「従来のいわゆる奉加帳方式での資金獲得手法ではなく(中略)新たな発想、手法による民間資金の積極的な活用を模索する」
これは二年前に大阪府が作成した「万博基本構想案」に掲げられた崇高な理念である。これが単なる「お題目」で終わることは、実はすでに決まっていた。計画段階での会場建設・整備費は約一千二百五十億円。これを大阪(府・市)、国、財界の三者で等分負担する。単純計算で四百億円余り。関経連の加盟社は甲種会員の法人で五百社強。単純計算で一社あたり一億円弱の負担となるが、中小企業には現実的な数字ではない。
今年に入り、「結局奉加・・・