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経済

JAL「酒酔い操縦士」問題の病巣

変わらぬ「安全軽視」体質の象徴

2018年12月号

「『事件』は起こるべくして起きてしまった。社内の体質を根本的に変えなければ、今後も空の安全を脅かしかねない」
 日本航空(JAL)の中堅機長はこう語る。十月二十八日に英国ロンドン、ヒースロー空港を飛び立つ予定だったJAL機の副操縦士が飲酒容疑で現地で逮捕された事件。呼気中のアルコール量が基準値の十倍という常識はずれの数値だったが、実は「隠れ飲酒」はこれまでもたびたび問題になってきた。JAL社内では制度欠陥を指摘する勇気ある「告発」が繰り返し行われてきたが、同社はこれらを黙殺し続けてきた。JAL特有の隠蔽体質も加わり、安全への信頼が再び揺らいでいる。

十三回に及ぶ「告発」

「今回の問題は、単に酒の問題のみならず、JALという組織の問題点の縮図のように思います」「酒の問題は、また必ず起きます」
 これはJAL内部の人間しか閲覧できないメーリングリストに投稿されたベテランのA機長によるコメントである。時期は二〇一六年九月三日。つまり今回の不祥事を受けたものではない。
 同年七月、石川県・・・