中国「対米新冷戦」で極秘通達
海外の先端技術「奪取」で総力戦へ
2018年12月号
坂道を転がるように対立が深刻化する米中関係を習近平政権が「宣戦布告なき戦争」と位置づけ、外交、軍事、経済まで「全面的かつ総合的な対米戦の準備」を進めていることを示す政権内部文書を本誌は独自に入手した。対米新冷戦戦略の特徴は、米中対立の本質を軍事以上に「技術戦争」と位置づけ、米国による対中技術包囲網を突破するため、外国企業・人材を呼び込む政策を積極化しようとしている点だ。この数年、日本企業が熱い視線を送る深圳を「外国技術・人材の吸引窓口」とし、中国に活路を求める日本企業の取り込みを図る戦略。日本企業は米中新冷戦の狭間で思わぬ罠に落ちかねない。
「米政権は過去数十年にわたる対中戦略の失敗が中国の多方面の発展を利したことを率直に認め、対中政策を『接触戦略』から『全方位封じ込め』に転換した」。内部文書は二〇一七年のトランプ政権誕生後の米国の対中姿勢の変化をこう総括。そのうえで同政権が「中国は、第二次世界大戦以降、米国が遭遇した最大最強の敵」と位置づけている、と警告している。
米ソ冷戦構造が崩壊した一九九〇年代初頭以降、米政権の対中姿勢は振り子のように大きく揺れてきた。民・・・
「米政権は過去数十年にわたる対中戦略の失敗が中国の多方面の発展を利したことを率直に認め、対中政策を『接触戦略』から『全方位封じ込め』に転換した」。内部文書は二〇一七年のトランプ政権誕生後の米国の対中姿勢の変化をこう総括。そのうえで同政権が「中国は、第二次世界大戦以降、米国が遭遇した最大最強の敵」と位置づけている、と警告している。
米ソ冷戦構造が崩壊した一九九〇年代初頭以降、米政権の対中姿勢は振り子のように大きく揺れてきた。民・・・