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湾岸産油国「人権蹂躙」の鬼畜ぶり

「記者殺害事件」は氷山の一角

2018年11月号


 サウジアラビア人記者殺害の恐ろしい詳細が次々と明らかになる中、アラブ首長国連邦(UAE)やオマーンなど、他のアラブ産油国当局の拷問や人権侵害についても注目が集まってきた。政敵や被拘束者に対して、当局者が極端な暴力を使うばかりでなく、一般市民が、社会の弱者に対して刑事訴追の恐れなしに、日常的に暴力を振るい、レイプを繰り返すのだ。湾岸産油国の特定のアラブ人たちは、なぜここまで残虐に振る舞うことができるのだろうか。

UAE軍のイエメン「拷問センター」

 サウジ人記者ジャマル・カショギ氏の事件が発覚する約一カ月前、カタールの国際ニュース局「アルジャジーラ」は、イエメン内戦におけるUAEの戦争犯罪について、ある文書を入手した。同局関係者は、「UAE軍の下で働いていたイエメン人が記録したものだ。同胞に対してあまりにひどい暴力が振るわれていることを、外部に告発しようとしたのだろう」と言う。
 この文書によると、UAE軍がイエメン国内で運営する「拷問センター」は、港町アデンや激戦地ソコトラ島など計二十・・・