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経済

ガス業界と「御用審議会」の癒着

国民圧迫「料金高止まり」の元凶

2018年11月号

 規制改革が始まる前に勝ち誇った表情をするのはガス業界くらいだろう。「この面子であれば、まったく問題はない」。東京ガスの幹部は、国の審議会の委員名簿を眺めながら、こうほくそ笑む。ガス小売り全面自由化が始まってからおよそ一年半。いつまでたっても競争が進まない現状を改めるため、経済産業省は審議会の体制を刷新し、ガス全面自由化のフォローアップをすることになった。審議会は本来、岩盤規制を砕くドリルの役目を果たすが、今回の顔ぶれを見る限り、それは期待できそうにない。審議会はガス業界寄りの有識者がちりばめられ、今後の議論は業界の意向を汲んだ形でしか進まないことが明白だからだ。
 ガス全面自由化がそもそもどのような状況にあるのか。経産省がまとめた資料によると、九月末までの契約先の切り替え(スイッチング)は全国で約百四十万件だった。数字だけを見ると多くの家庭が全面自由化の恩恵を受けているように見えるが、一般家庭の契約件数約二千五百三十八万件に占める割合はわずか五・五%。すなわち、契約先のガス会社を新規参入者に切り替えた家庭は、ガス全面自由化から一年以上がたっても全体の五%程度しかなく、笛吹け・・・