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中国に「懐柔」される日本学術界

一帯一路「親中派工作」の深謀

2018年11月号

 中国の習近平政権が外交政策の根幹と位置づける「一帯一路」政策は、投資先の国の反発や財政悪化によって、中国共産党の思惑とは裏腹に失速が目立ち始めた。この窮地を打開しようと、中国が目を付けたのが日本の大学やシンクタンクの研究者など学術界。「一帯一路の正当性を日本から発信する新たな親中シンパ作り」と日本の公安関係者は警戒を強める。中国の中央官庁、政府系シンクタンク、地方政府が日本の大学教授、研究員、評論家などを現地視察、シンポジウムなどの名目で中国に招待、取り込みを図っている。

「日本取り込み」論が優勢に

 九月中旬、北京市内で一帯一路をめぐる日中共同シンポジウムが開催された。中国側の主催者はシルクロード都市研究院、日本側は一帯一路日本研究センター。ともに聞き慣れない研究機関だが、中国側は一帯一路にかかわるインフラ構築、都市建設などの研究推進が目的。習主席の肝いりの組織で大きな予算を与えられているという。
 日本側の一帯一路日本研究センターは「東アジア共同体の実現」をめざして二〇〇三年にスタートした「国・・・