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EU離脱でも「結果オーライ」の英国

経済「絶好調」は続くとの予想も

2018年11月号

 英国が欧州連合(EU)を離脱する日(来年三月末)まで五カ月を切り、「合意なし離脱」か、最低限の形式的合意で離脱するシナリオが現実的になった。
 英政界はパニック状態で、世界中のメディアも「大混乱」と騒ぎ立てるが、実体経済はここ十年来なかったほど好調だ。保守、労働両党内では「これからは内政改革」と準備が始まっている。
 ロンドン在住の誰に聞いても、「ブレグジットの話をしない日はない」というほど、国民に重くのしかかるEU離脱。総責任者のテリーザ・メイ首相は文字通り全精力を吸い取られているのに、EU側との交渉は過去一年半、前進ゼロだ。英官僚の叡智を集めてまとめた妥協案は九月、十月の二度のEU首脳会議で無残に拒否され、十一月は「頭を冷やそう」と、会議そのものが見送られた。
 保守党内の約五十人が公然と首相降ろしに動き、労働党は「どんな案でも反対票を投じる」と全面非協力。どこから見ても、八方ふさがりの国難である。
日本やEUより良い経済指標
 だが、離脱で影響を受けるはずの経済は、今年八月の失業率が四%、同月の実質賃金(ボーナス除く)は前年同月・・・