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経済

北海道電力「凍死寸前」の経営状況

地震で露見した「破綻」の現実味

2018年10月号

「こんなに応援を頼んで本当に大丈夫なのか」。ある電力会社の幹部は、北海道電力からの支援要請に関してこう苦笑する。最大震度七を記録した北海道胆振東部地震。この地震で北電は、道内全域を停電させるブラックアウトを招いた。前代未聞の不始末に電力業界内では早くも「真弓明彦社長の辞任が必要かもしれない」との臆測が飛び交う。だが、北電の経営はただでさえ危うい状態だ。地震によって「破綻」の二文字が現実味を帯びる中、社長のクビ一つで済むならむしろ御の字だろう。
 北海道地震では、道内最大の火力発電所、苫東厚真発電所が止まったことで電力需給のバランスが崩壊し、道内全域の約二百九十五万戸が停電した。電力各社は百五十台以上の電源車と一千人規模の応援部隊を派遣するとともに、最大六十万キロワットの電力融通を行うことで早期復旧にこぎつけた。だが、これらの代償は決して小さくない。例えば、電力融通。東北電力から二十万キロワット、東京電力から四十万キロワットの融通を受けたが、この電気は無料ではなく、時間帯によっては一キロワットアワー当たり二十円を超えることもある。背に腹は代えられないとはいえ、割高な電気の調達は・・・