「肺がん」で荒稼ぎする製薬企業
医師との癒着で新たな「ドル箱」に
2018年10月号
医師と製薬企業の癒着は古くて新しい公知の事実だが、その中でも最近、製薬業界に浸透している温床は「肺がん」の領域である。
引き金は二〇〇二年、日本が世界に先駆けて承認したアストラゼネカの分子標的治療薬イレッサにさかのぼる。決定打は一四年に日本で承認された小野薬品工業のがん免疫治療薬オプジーボ。どちらも画期的な新薬で、それまで手術で取り切れなければ、肺がんは治らないと考えられていたが、新薬により長期間生存する患者が現れたのだ。だがその裏側で特定の医師がさまざまな名目で製薬企業からの現金を懐に入れ、製薬企業も彼らを利用して利益を膨らませる闇の構図が広がる。患者など二の次の、もたれ合いの実態を明かす。
かつては抗がん剤メーカーと言えば、ニッチな領域で勝負するマイナー企業の印象だったが、それが肺がんの新薬開発で激変した。ドル箱だった降圧剤や糖尿病治療薬の特許が切れ、アルツハイマー病などの新薬の開発に難渋している製薬企業にとって、抗がん剤、特に肺がん治療薬は数少ない成長分野に変容したのだ。
特定医師へ高額の謝金{br・・・
引き金は二〇〇二年、日本が世界に先駆けて承認したアストラゼネカの分子標的治療薬イレッサにさかのぼる。決定打は一四年に日本で承認された小野薬品工業のがん免疫治療薬オプジーボ。どちらも画期的な新薬で、それまで手術で取り切れなければ、肺がんは治らないと考えられていたが、新薬により長期間生存する患者が現れたのだ。だがその裏側で特定の医師がさまざまな名目で製薬企業からの現金を懐に入れ、製薬企業も彼らを利用して利益を膨らませる闇の構図が広がる。患者など二の次の、もたれ合いの実態を明かす。
かつては抗がん剤メーカーと言えば、ニッチな領域で勝負するマイナー企業の印象だったが、それが肺がんの新薬開発で激変した。ドル箱だった降圧剤や糖尿病治療薬の特許が切れ、アルツハイマー病などの新薬の開発に難渋している製薬企業にとって、抗がん剤、特に肺がん治療薬は数少ない成長分野に変容したのだ。
特定医師へ高額の謝金{br・・・