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イラクで「イスラム国復活」の凶兆

掃討作戦「成功」はトランプの大嘘

2018年10月号

 軍事的に敗北を喫したはずの国際テロ組織「イスラム国(IS)」が、イラクで復活に向けて動いている。ドナルド・トランプ米大統領が「大成功を収めた」として「任務完了」を早々に宣言する中で、当の米軍当局者は、掃討には程遠いことを認めている。
 ISの現状を象徴したのは、指導者のアブバクル・バグダーディーと見られる人物が、八月下旬に公表したスピーチだ。
 日付は不明なものの、米国とトルコの関係悪化に言及するなど、指導者自身が比較的最近まで確実に生存していたことを示す。「(イスラム教)スンニ派の若者」の決起を促す一方で、自分たちの仲間が「恐怖と飢えに苦しんでいた」と語り、自身の逃亡劇の様子をうかがわせるような発言もした。

イラク、シリアに戦闘員三万人

 米国の保守系記者、トム・ローガン氏は「最後に声明を聞いたのは、モスルとラッカ陥落(昨年十月)前の昨年九月だから、十一カ月も身を潜めていたことになる。この間沈黙していたのは、少しでも動けば米軍に居場所を探知されるのを恐れていたためだろう」と言う。ようや・・・