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社会・文化

グーグルが支配を狙う日本の医療

クラウドとAIの「黒船」は目前に

2018年9月号

「近い将来、グーグルが日本の医療を支配します」。米国サンフランシスコで七月下旬に開かれた「グーグルクラウドネクスト’18 」に参加した人物はそう言い切った。このイベントはグーグルが自らの針路を世界に示す場だ。その場には、北村直幸氏という日本人医師が招聘されていた。彼はグーグルクラウドプラットフォームを用いた遠隔画像診断を巡り、グーグルクラウドのアリエ・マイヤー氏と五十分にわたり対談している。
 北村氏は広島大学を卒業した放射線診断専門医。広島市内に霞クリニックという放射線画像診断の専門施設を運営する傍ら、遠隔画像診断をサポートする会社「エムネス」を同じビルの中で経営している。これは画像データをクラウドに集約する会社で、彼らが利用するのがグーグルクラウドプラットフォーム。グーグルはエムネスを「テクノロジーパートナー」に認定した。グーグルがエムネスに目をつけたのは、日本の電子カルテ市場への本格進出を考えているからだ。
 エムネスのシステムを導入すると、契約する医療機関で撮影されたCTなどの画像はクラウドにアップされ、エムネスと契約する放射線診断専門医が読影。・・・