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社会・文化

防衛費膨張でも 「弱体化」する自衛隊

米国製「無駄兵器」が招く亡国

2018年9月号

 防衛費が雪だるま式に膨張している。防衛省は二〇一九年度予算の概算要求で五兆三千億円弱を要求し、今年度当初予算を一千億円上回る見通しだ。米国との対話路線で鳴りを潜めている北朝鮮の先行きは依然として読めず、中国の海洋進出も加速している。それだけに、日本の防衛費増額は理に適っているように映るが、問題はその内実だ。トランプ米大統領のトップセールスと、これに呼応する安倍晋三首相の従順さが共鳴し、米国の「言い値」で装備を爆買いする構造が定着した。結果、後年度負担という名の大借金が積み上がるばかりか、日本の防衛産業と技術力が衰退の道を転げ落ちていく負のスパイラルに陥っている。
「F35戦闘機でもミサイルでも買えば、米国で多くの雇用が生まれ、日本はより安全になる」。昨年十一月に訪日したトランプ大統領は豪語した。だが、この売り込みを待つまでもなく、安倍政権以降、米国からの輸入は急増している。大半は米政府の対外有償軍事援助(FMS)に基づくもので、価格や納期は米側の提示を受け入れる。FMSによる購入額は〇八~一二年度の計約三千六百四十七億円から、安倍政権が予算編成した一三~一七年度には計約一兆・・・