「サマータイム」 森喜朗の真の狙い
自民長老「ポスト安倍戦略」の策動
2018年9月号
サマータイム制度導入論の亡霊が永田町を徘徊している。
酷暑での開催が危ぶまれる二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックでの実施をにらみ
「内閣としても考えるが、まず自民党で先行して議論を」
と安倍晋三首相が発言したというので、にわかに政権の本気度が取り沙汰されだした。
すかさず、行政の総元締である菅義偉官房長官は
「国民の日常生活に影響を生じるものだし、大会まであと二年と(準備期間も)限られている」
と消極姿勢を公言した。党の議論はどうあれ、政府はどっち向きなのか、と疑心暗鬼が募る。
結論を言えば、導入はない。技術的、理論的にあり得ない。にもかかわらず、やるような、やらないようなムニャムニャした話になっているのは、言い出しっぺが
「平成政治の妖怪」
森喜朗元首相だからに他ならない。森氏が言い出したのでなければ、安倍政権もここまで取り合わないし、森氏の提言だからこそ、妙な間を持たせた態度を取る。
これはまじめな政策論というより、政策論の形を借りて安倍長期政権の・・・