文在寅政権「急失速」の必然
左派大統領は今や「四面楚歌」に
2018年9月号
八月十八日付の韓国朝刊各紙。どの紙面にも、文在寅政権に衝撃的な見出しがずらりと並んだ。
「政府の独善がもたらしたイルチャリ(働き口)破局」(朝鮮日報)、「月平均の新規雇用者が三十一万人から五千人に。雇用災難」(東亜日報)―。いずれも韓国統計庁が前日に発表した「二〇一八年七月の雇用動向」を受けたものだ。韓国は七カ月連続で失業者数が百万人を超える事態が続いている。外貨準備高が底をついた「IMFショック」の後遺症で揺れた二〇〇〇年代初め以来の不景気だ。
文政権がショックを受けたのは、雇用政策こそが政権の至上課題だったからだ。文氏は一七年の大統領選で「イルチャリ大統領になる」と強調。大統領就任直後、執務室に失業率などを示す雇用統計のパネルを何種類も掲示させ、「陣頭指揮」を演出してきた。その結果が、この惨状だった。
経済失政で支持率低下
なぜこうなったのか。文政権は「所得を増やせば消費も増える」という「所得分配優先政策」を実施。二二年までに公共部門の雇用を八十一万人増やすと公約し、・・・