シリア「国家再建計画」の欺瞞
巨大な「人道危機」が再び幕開け
2018年9月号
シリアのバシャル・アサド大統領が、「内戦勝利」後の国家再建計画に乗り出した。国外に逃れた約六百万人の難民の中で、「アサド体制の敵」と見られる百五十万人について、すでに膨大な「ブラックリスト」を作成しており、内戦勃発以前より一段と厳しい警察国家再建を目指しているのが明白だ。
アラウィー派が勝利の果実を独占
アサド政権の青写真を象徴するのが、ダマスカス郊外に建設予定のニュータウン「マロタ・シティー」だ。宣伝ビデオによると、日本のタワーマンションを思わせるような街並みで、広々とした部屋には陽光がふりそそぐ。
「都市部の住宅街は修繕不可能なほど破壊されたので、いずれ更地にするのだろう。ニュータウン契約は、体制側のビジネスマンに振り分け、アサドの権力基盤であるイスラム教アラウィー派が勝利の果実を分捕る」と、シリア取材の長い英国紙記者は言う。
アサド政権は今年四月、「政権に反対した者およびその親族から、不動産の所有権を剥奪する」という法令を発布した。「第十法」と呼ばれる新法によると、戦禍を逃れて・・・
アラウィー派が勝利の果実を独占
アサド政権の青写真を象徴するのが、ダマスカス郊外に建設予定のニュータウン「マロタ・シティー」だ。宣伝ビデオによると、日本のタワーマンションを思わせるような街並みで、広々とした部屋には陽光がふりそそぐ。
「都市部の住宅街は修繕不可能なほど破壊されたので、いずれ更地にするのだろう。ニュータウン契約は、体制側のビジネスマンに振り分け、アサドの権力基盤であるイスラム教アラウィー派が勝利の果実を分捕る」と、シリア取材の長い英国紙記者は言う。
アサド政権は今年四月、「政権に反対した者およびその親族から、不動産の所有権を剥奪する」という法令を発布した。「第十法」と呼ばれる新法によると、戦禍を逃れて・・・