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WORLD

左傾化しすぎの 「シリコンバレー」

保守派は生き難い「ITの都」

2018年9月号

「君たちが向かっているのは何か北朝鮮のようなもの、全体主義の一党独裁国家のようなものだ」
 著名ベンチャー投資家で「シリコンバレーのドン」であるピーター・ティール氏は七月、シリコンバレーにあこがれる十代の若者を対象にしたイベントで、自らの街を、そう非難した。
「政治が圧倒的に偏っている」「我々は、社会にある最も重要で基本的な問題について論じることができないんだ」とティール氏は嘆く。IT業界では数少ないもう一人の保守派、マーク・アンドリーセン氏(ネットスケープ創業者、フェイスブックやイーベイなど複数のIT大手役員)もまたシリコンバレーが「非常に左傾化している」と指摘している。同地があるカリフォルニア州がリベラルだということは周知の通りだが、それがさらに深まっており、特にシリコンバレーで著しいということだ。
 同地のカリスマとされるティール氏とは、何者か。現テスラCEOのイーロン・マスク氏と共にオンライン決済大手ペイパルを創業。その後「ペイパルマフィア」と言われるベンチャー投資家たちのボスとなり、ユーチューブやフェイスブックなど多くのハイテク大手を生み出してき・・・