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政治

白けて空疎なる「安倍三選確実」

《政界スキャン》

2018年8月号

 自民党選対本部のベテラン幹部が最近、政治記者たちをしきりとけしかけている。
「安倍晋三首相が総裁選で圧勝って本当かね。地方で本当に人気あるの? もっとよく取材した方がいいんじゃない」
 まだ誰も立候補表明さえしていないのに、マスコミは早々と「安倍三選確実」と報じている。
 すでに安倍支持を表明している最大派閥の細田派(九十四人)、第二派閥の麻生派(五十九人)、第五派閥の二階派(四十四人)に、無派閥議員約二十人を菅義偉官房長官が率いる「隠れ菅派」を加えた合計で、国会議員四百五票の過半数を押さえたからだ。
 第四派閥の岸田派(四十八人)が遅れてこれに便乗し、第三派閥の竹下派(五十五人)にも浮足立つ者が少なくない。
 文字通り雪崩を打つ様に似る。「一強体制」たるゆえんだが、一人一人の気骨のなさは、それでもあなたたちは国会議員か、政治家かと嘆きたくもなる。
 これが「当確」の根拠だが、九月の総裁選では党員・党友票の総数を議員票と同じ四百五票に換算し、得票率に応じて各候補者に案分する。従来の三百票より、地方票の重みが増す。
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