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WORLD

ロシア謀略機関「GRU」の悪行三昧

世界で暗躍する「プーチンの飼い犬」

2018年8月号

 ロシアの連邦軍情報機関「参謀本部情報総局」(通称GRU)が、旧ソ連の伝説的なスパイ機関「国家保安委員会(KGB)」の後継組織にとどまらない謀略機関として、世界各地で暴れまくっている。
 二〇一六年の米大統領選介入事件で、主導的な役割を果たしたほか、英国で神経剤「ノビチョク」を使った事件での関与も疑われている。このほか、クリミア半島併合やシリア内戦でもGRU暗躍が確認されており、KGB出身のウラジーミル・プーチン大統領にとって、今や最も戦闘力の高い「秘密兵器」に浮上している。

世界戦略の中で「闇工作」を担当

 米欧の情報関係者を驚かせたのは、七月中旬にロバート・モラー特別検察官が連邦大陪審に起訴した、十二人の名前だった。特別検察官によって、米大統領選介入の疑いで特定された全員が、GRUの所属だったからだ。GRUは一〇年以降、別の名称になったが、旧ソ連時代からの略称がそのまま通用している。
 高度なハッキング技術を駆使した対外工作となれば、KGBの後継である「連邦保安庁(FSB)」と「対外情・・・