《罪深きはこの官僚》淵上孝(文部科学省高等教育局国立大学法人支援課長)
東京医大「裏口入学」のキーマン
2018年8月号
局長が補助金と引き換えに息子の医大への裏口入学を依頼するという、前代未聞の不祥事に揺れる文部科学省。上を下への大騒ぎの中、「当事者」はだんまりを決め込んでいる。その人物は、高等教育局の国立大学法人支援課長、淵上孝だ。
淵上は昨年七月まで、高等教育局私学部の私学助成課長であった。東京地検特捜部に逮捕された前局長の佐野太が、東京医科大学への私学ブランディング助成事業について斡旋を行ったとされるのが、昨年五月。最終決裁者は高等教育局長で、選定は建前上、第三者委員会が行うことになっているが、実質的な現場責任者である淵上がその状況を知らぬはずもない。
「淵上は現状、ノーコメントを貫いており、少なくとも取材への協力姿勢はない」
文科省担当記者の一人はこう語る。五年間で一億五千万円という血税の行き先について決定現場に一番近い場所にいた淵上には、道義的だけではない責任がある。不正斡旋の事実を知っていたとすれば、共犯にも問われかねない。
一九六七年生まれの淵上は、鹿児島県の名門ラ・サール高校から東京大学法学部へと進んだエリート。旧文部省に入省後は官房人事課・・・
淵上は昨年七月まで、高等教育局私学部の私学助成課長であった。東京地検特捜部に逮捕された前局長の佐野太が、東京医科大学への私学ブランディング助成事業について斡旋を行ったとされるのが、昨年五月。最終決裁者は高等教育局長で、選定は建前上、第三者委員会が行うことになっているが、実質的な現場責任者である淵上がその状況を知らぬはずもない。
「淵上は現状、ノーコメントを貫いており、少なくとも取材への協力姿勢はない」
文科省担当記者の一人はこう語る。五年間で一億五千万円という血税の行き先について決定現場に一番近い場所にいた淵上には、道義的だけではない責任がある。不正斡旋の事実を知っていたとすれば、共犯にも問われかねない。
一九六七年生まれの淵上は、鹿児島県の名門ラ・サール高校から東京大学法学部へと進んだエリート。旧文部省に入省後は官房人事課・・・