Book Reviewing Globe 411
サイバー空間の「抑止力」とは
2018年8月号
サイバー攻撃を相手国に対する強制的手段として使おうとする動きが国際政治の現場で秘かに、しかし、確実に広がっている。
外交ではらちが明かない。しかし、軍事力に訴えるにはリスクが大きすぎる。そうしたグレーゾーン状況の中で、サイバー攻撃の効用を試そうとする動きである。
イランの核開発に対する米国とイスラエルの「オリンピック・ゲーム」という名のサイバー攻撃作戦がその端緒となった。
イランのナタンツのウラン濃縮施設(遠心分離機能)をサイバー攻撃によってかく乱することで、イランの核開発を遅らせ、核廃棄交渉のテーブルに引きずり出すことを目的とした。作戦は成功した。
オリンピック・ゲームによるサボタージュ作戦をどこよりも真剣に凝視していたのが北朝鮮だった。北朝鮮の場合、すでに事実上の核保有国である。したがって、米国のサイバー攻撃は長距離ミサイル開発に対して向けられる可能性が高いと見ていた。
実際、二〇一三年の北朝鮮の核実験のあと、マーティン・デンプシー米統合参謀本部議長は、「サイバー戦争や電子攻撃」を含む「ミサイル発射の急所をつく」方途を探・・・
外交ではらちが明かない。しかし、軍事力に訴えるにはリスクが大きすぎる。そうしたグレーゾーン状況の中で、サイバー攻撃の効用を試そうとする動きである。
イランの核開発に対する米国とイスラエルの「オリンピック・ゲーム」という名のサイバー攻撃作戦がその端緒となった。
イランのナタンツのウラン濃縮施設(遠心分離機能)をサイバー攻撃によってかく乱することで、イランの核開発を遅らせ、核廃棄交渉のテーブルに引きずり出すことを目的とした。作戦は成功した。
オリンピック・ゲームによるサボタージュ作戦をどこよりも真剣に凝視していたのが北朝鮮だった。北朝鮮の場合、すでに事実上の核保有国である。したがって、米国のサイバー攻撃は長距離ミサイル開発に対して向けられる可能性が高いと見ていた。
実際、二〇一三年の北朝鮮の核実験のあと、マーティン・デンプシー米統合参謀本部議長は、「サイバー戦争や電子攻撃」を含む「ミサイル発射の急所をつく」方途を探・・・