認知症患者が「銃保有」する米国
近親者「射殺」の悲劇が増加中
2018年8月号
「夫に銃で撃たれました。腹部から出血しています」
「夫が私にピストルを向けてきました」
こんな緊急通報が全米各地で相次いでいる。大半は、高齢者の夫が認知症を患い、意識が混沌としたまま、銃を取り出したというケースだ。
日本では高齢者ドライバーの暴走が大きな社会問題になっている。米国でも認知症の高齢者の自動車運転が問題になっているが、それだけでなく、銃乱射に走る危険が高まっている。
二〇五〇年までに、全米で「自宅に銃を保有する認知症患者」が八百万~一千二百万人に達するという推計があり、連邦や州政府に対策を求める声が強まっている。
高齢者の四五%の自宅に銃
冒頭の電話の事件は、三年前の一五年、オレゴン州で起こった。
夫は地元警察署の元幹部で、保安官も務めた。常に銃を携帯するのが仕事であり、引退後も自宅に複数の銃保有を続けた。事件を起こす二年前に、認知症と診断され、その後急速に症状が悪化していた。
妻はピストルなどすべての銃を金庫に保管して鍵をか・・・
「夫が私にピストルを向けてきました」
こんな緊急通報が全米各地で相次いでいる。大半は、高齢者の夫が認知症を患い、意識が混沌としたまま、銃を取り出したというケースだ。
日本では高齢者ドライバーの暴走が大きな社会問題になっている。米国でも認知症の高齢者の自動車運転が問題になっているが、それだけでなく、銃乱射に走る危険が高まっている。
二〇五〇年までに、全米で「自宅に銃を保有する認知症患者」が八百万~一千二百万人に達するという推計があり、連邦や州政府に対策を求める声が強まっている。
高齢者の四五%の自宅に銃
冒頭の電話の事件は、三年前の一五年、オレゴン州で起こった。
夫は地元警察署の元幹部で、保安官も務めた。常に銃を携帯するのが仕事であり、引退後も自宅に複数の銃保有を続けた。事件を起こす二年前に、認知症と診断され、その後急速に症状が悪化していた。
妻はピストルなどすべての銃を金庫に保管して鍵をか・・・