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連載

《世界の キーパーソン》 マッテオ・サルヴィーニ(イタリア副首相兼内相)

欧州「反移民」の新たな強面

2018年7月号

「バルト海のシュテッティン(ポーランド)からアドリア海のトリエステ(イタリア)まで」とは、チャーチル元英首相の有名な「鉄のカーテン」演説である。
 今年六月、ほぼ同じ線にそって、「移民のカーテン」が出現した。ドイツのゼーホーファー、オーストリアのキックル、イタリアのサルヴィーニの三内相が、移民流入阻止でそろい踏みをみせた。オーストリアのクルツ首相は「新三国枢軸の成立」と喜んだ。
 ゼーホーファーはメルケル首相と移民受け入れ政策で公然と対立して、ドイツ・メディアを「内閣崩壊の危機」と騒がせた。極右政党「自由党」のキックルは就任早々に、「移民を一カ所に集中させる」と述べて、「ナチスの強制収容所復活か」と大いに物議をかもした。
 だが、この二人以上に旋風を巻き起こしたのが、六月一日に就任したばかりのイタリア内相だ。
 サルヴィーニは就任早々、「移民船寄港はもうおしまいにする」と宣言し、さっそく地中海を渡ってきた移民救助船「アクエリアス」号のイタリア寄港を拒否した。六百人以上を乗せたこの船は、スペインが受け入れるまで地中海をさまよった。
 けん・・・