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経済

大塚製薬「カネまみれ」営業の悲哀

犯罪を厭わぬ社風は今も

2018年7月号

 製薬会社と大学教授の「果てなき癒着」をえぐった本誌六月号の記事が医療界で波紋を広げている。とりわけ耳目を集めたのが、大塚ホールディングス(HD)で、「あれほどの巨費を医者に注ぎ込んでいるとは」と驚きの声が届く。
 大塚HDが傘下に抱える医薬品メーカーは、大塚製薬と大鵬薬品工業。前者の主力は精神・神経疾患治療薬、後者は抗がん剤だ。今や大塚HDは武田薬品工業やアステラス製薬などと並び、五大内資系製薬企業に数えられるまでに成長を遂げた。今回は癒着の「個別企業編」として、大塚HDの手荒な営業と特異性を深掘りしよう。
 大塚HDが二〇一六年度、医師への講師謝礼や原稿執筆料など「C項目」として支払ったのは、十六億八千万円(内訳は大塚製薬十一億五千万円、大鵬薬品五億三千万円)。この総額は第一三共の二十億二千万円に次いで第二位である。ただ、これだけで大塚HDの特異性は読み取れない。最大の特徴は売り上げに占める割合だ。

エビリファイの「崖」

 国内の医療用医薬品の売り上げ一億円当たりで見ると、大塚HDは四・・・