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経済

《企業研究》三菱マテリアル

不正と嘘だらけ「驕慢企業」の末路

2018年7月号

「意図的なデータの改竄ではなく、転記ミスと判断した。直轄の主力事業所で品質管理に甘さがあったことは重く受け止めているが、顧客との間で解決済みの問題で(公表しなかったことは)適切な判断だった」
 六月二十二日夕に都内で開かれた三菱マテリアルの記者会見。この日の株主総会と取締役会を経て、正式に同社新トップに就任した小野直樹社長は、直島製錬所(香川)での品質不正の存在を今年三月時点で認識していながら、三カ月近くも公表してこなかった理由を問われて、こう開き直った。
 不正が見つかったのは銅製錬の副産物であるコンクリート用の「銅スラグ骨材」で、三菱マテではこれをJIS(日本工業規格)の規格値を満たしていないにもかかわらず、試験成績書に「規格内」と記載。堂々とJISマークをつけて出荷していた。それが単なる試験成績書への「転記ミス」だったというのである。
 だがこの問題で六月八日、直島製錬所製品のJIS認証取り消しに踏み切った日本品質保証機構(JQA)によれば、三菱マテの“罪”は何も規格値を逸脱した製品を出荷していた点だけにあるのではない。{br・・・