中国地方財政に迫る「同時発火」
各地で「不穏な騒動」が続発中
2018年7月号
六月八日から一週間以上にわたり、中国の安徽省、湖北省、浙江省、上海市、貴州省、重慶市など各地のトラック運転手、計十万人以上が大規模なストライキを実施したことが、習近平政権に大きな衝撃を与えた。中国政府は、各地で起きるデモ、騒乱、暴動など集団による社会秩序の大きな混乱を「群体性事件」と名付け、警察力を使って重点的に対応している。
当局の統計は非公表だが、全国で毎年起きている群体性事件は、少なくとも数万件といわれる。土地収用をめぐる賠償金トラブルや、工場排水など土壌汚染への抗議など、多くは特定地域に限定したものだ。また、待遇に不満をもつ各地の退役軍人が北京などに集まって抗議デモをするケースもあるが、その場合、一カ所の警察力を動員すれば対応できる。
しかし、今回のストのように、全国各地で同時発生し、しかも、政府を包囲するなどの抗議行動を伴わず、当局が弾圧しにくい群体性事件は極めて異例だ。各地の地方政府は対応の方法がわからず、頭を抱えてストの終了を待つしかなかった。
教師やメディア職員も抗議デモ
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当局の統計は非公表だが、全国で毎年起きている群体性事件は、少なくとも数万件といわれる。土地収用をめぐる賠償金トラブルや、工場排水など土壌汚染への抗議など、多くは特定地域に限定したものだ。また、待遇に不満をもつ各地の退役軍人が北京などに集まって抗議デモをするケースもあるが、その場合、一カ所の警察力を動員すれば対応できる。
しかし、今回のストのように、全国各地で同時発生し、しかも、政府を包囲するなどの抗議行動を伴わず、当局が弾圧しにくい群体性事件は極めて異例だ。各地の地方政府は対応の方法がわからず、頭を抱えてストの終了を待つしかなかった。
教師やメディア職員も抗議デモ
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