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韓国は「第二の南ベトナム」となるか

中朝の策謀に自らはまる文在寅

2018年7月号

 米国防総省と韓国国防部は八月下旬に実施予定だった定例の合同指揮所演習「フリーダムガーディアン(FG)」の無期限中止を、六月十九日に発表した。FG演習は、コンピューターに朝鮮半島有事で起きうる様々なシナリオを入力。それぞれの筋書きに沿って、米韓連合軍の作戦の有効性を確かめる訓練だ。近年では、金正恩朝鮮労働党委員長を殺害する「斬首作戦」や、北朝鮮が保有する核兵器を奪取する作戦などが、FG演習で試されたという。
 演習の中止を言い出したのはトランプ米大統領。六月十二日にシンガポールで開かれた米朝首脳会談で、正恩氏の要求をそのまま吞んだ。トランプ氏は会談後の記者会見で演習中止を明らかにしたが、同盟国の韓国はもちろん、お膝元の国防総省すらこの決定は知らされていなかった。
 だが、韓国政府の反応は異例とも言えるものだった。文在寅大統領は同十四日、青瓦台で開いた国家安全保障会議(NSC)で「慎重に検討する」と表明。このニュースを聞いた韓国の軍事専門家たちは仰天した。専門家の一人は、「トランプ氏の決定は同盟国を軽視した行為。抗議もせずに、慎重に検討するという言葉だけとは」と怒りを・・・