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社会・文化

日大「相撲・アメフト支配」の系譜

巨大教育機関「ガバナンス崩壊」の深層

2018年6月号

 一九六七年十二月十日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で、既に冬の風物詩となっていたアメリカンフットボールの大学日本一決定戦、第二十二回「甲子園ボウル」が開催された。十九シーズン連続で関西学生リーグを制した青のユニフォーム、関西学院大学と、赤の日本大学が激突した。両校の甲子園ボウルでの対決は十一度目。直近の八回は日大が連勝を続けていたが、この年の軍配は関学に上がった。日大フェニックスが苦杯を舐めた約一カ月後、同大ではある事件が起きた。それが後にこの大学で体育会人脈がのさばる契機になるとはまだ誰も知る由もない。今般の悪質タックル騒動で注目された日大における面妖なる体育会支配はいかにして生まれたのか。

学内の各種選挙で頭角

 学生運動は六〇年代半ば以降、ふたたび盛り上がりを見せ、七〇年に向けて、そのうねりが全国の大学を呑み込んだ。安田講堂攻防戦に代表される東大紛争が注目されたのは当然の成り行きだった。一方で、こと規模の面で見れば日大紛争こそが全共闘の中核だった。
 しかしその日大紛争は、高尚な政治的要求や・・・