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政治

安倍長命政権に兆す「老衰」

醜聞で奪われた「総裁三選後」の体力

2018年6月号

 五月十五日と言えば沖縄が本土に復帰した「沖縄返還の日」だが、一部の政治記者にとっては別の意味で重要な日でもある。首相安倍晋三の父、晋太郎の命日に当たり、晋太郎の番記者たちによる偲ぶ会が東京・内幸町の日本プレスセンターで開かれるからだ。会場の正面には晋太郎の遺影が置かれ、同窓会のように古い政治記者たちが顔を揃える。司会者はすっかり親安倍の政治記者として知られる存在になったNHKの岩田明子だ。
一方の安倍家側は晋三を筆頭に未亡人で晋三の母でもある洋子、岸家に養子入りした衆議院議員の岸信夫、そして晋三夫人の昭恵である。安倍ファミリーは分散して着席する記者たちのテーブルを一人ずつ回る。安倍はここではかなり思い切ったことを話す。記者の中には祖父岸信介を知る産経新聞OBもいる。安倍にとっては数少ない息抜きの場でもあった。
 ところが今年はその偲ぶ会が何の連絡もなく取りやめになった。安倍が加計学園問題で自らの“アリバイ証明”にも取り上げた五月十五日の「首相動静」を確認してみた。偲ぶ会が開かれる夕方から夜にかけて、来日したサモアの首相ツイラエパとの首脳会談・・・