中国企業経営者「自殺続発」の真相
銀行「貸し渋り」倒産ラッシュの残酷
2018年6月号
中国広東省仏山市に本部がある換気・空調設備メーカーの南方風機の会長兼社長、四十六歳の楊子善氏と妻が、五月三日から突如失踪した。楊氏は個人と会社名義で少なくとも約七億四千万元(約百二十七億円)の負債があり、債権者は二万三千人に上ると中国メディアが伝えている。
経営者の失踪に伴い、深圳株式市場に上場している同社の株価は十二元前後から暴落し、約二週間でほぼ半値となった。「いまは債権者の対応に追われている。今後のことは全くわからない。関連会社を含めて数千人の従業員が路頭に迷うのは時間の問題かもしれない」と同社関係者は暗い表情だ。
同社と楊氏の家族は警察に捜索願を提出した。楊氏と妻はカナダの永住権を所有しているとされており、海外に逃亡した可能性もあるが、いまのところ、出国記録は確認されていないという。
楊氏の父親が一九九〇年代に創業した南方風機は、楊氏が二〇〇八年に社長に就任して以降、拡大路線に転じる。同業他社を買収するほか、成長産業といわれる3Dプリンター分野にも積極的に進出。中国メディアに「二十一世紀の中国を背負って立つ若手民営企業家」ともてはやされたこ・・・
経営者の失踪に伴い、深圳株式市場に上場している同社の株価は十二元前後から暴落し、約二週間でほぼ半値となった。「いまは債権者の対応に追われている。今後のことは全くわからない。関連会社を含めて数千人の従業員が路頭に迷うのは時間の問題かもしれない」と同社関係者は暗い表情だ。
同社と楊氏の家族は警察に捜索願を提出した。楊氏と妻はカナダの永住権を所有しているとされており、海外に逃亡した可能性もあるが、いまのところ、出国記録は確認されていないという。
楊氏の父親が一九九〇年代に創業した南方風機は、楊氏が二〇〇八年に社長に就任して以降、拡大路線に転じる。同業他社を買収するほか、成長産業といわれる3Dプリンター分野にも積極的に進出。中国メディアに「二十一世紀の中国を背負って立つ若手民営企業家」ともてはやされたこ・・・