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経済

《地方金融の研究》愛媛銀行

不正送金疑惑に揺れる「愛国経営」

2018年6月号

 今年一月十八日、会場は詰めかけた約三千人の聴衆で溢れ返り、異様な熱気に包まれていた。開演と同時に全員が立ち上がり、始まった「君が代」斉唱。その歌声に送り出されるように颯爽と壇上に登場したのは保守派の論客として知られる、ジャーナリストの櫻井よしこだ。
 JR予讃線の松山駅から伊予鉄松山市駅線の「道後温泉駅行」に乗り換え、「南町」駅で下車してほどなく、その施設は姿を見せる。
「ひめぎんホール」―。西日本最大級ともいわれる多目的ホールで、設計は丹下健三。かつては「愛媛県県民文化会館」と呼ばれていたが、二〇〇八年愛媛銀行が命名権を取得、併称に挿げ替えた。以来、ここを舞台に毎年一月開かれている恒例のイベントが愛媛銀主催による「新春特別講演会」だ。櫻井は十一年連続でその講師をつとめており、今年の演題は「激動する世界と日本の進路」。
 緊迫する北朝鮮情勢や大国のエゴをむき出しにしつつある中国・習近平政権に、強権ぶりが目立つロシアのプーチン政権。そのうえ予見不能な米トランプ政権に翻弄される中、日本は今後、どう世界に立ち向かっていくべきか。櫻井の熱弁に聴衆は酔い痴れ、最後・・・

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