後進国並みの「予防接種行政」
防げる感染症に冒される日本人
2018年6月号
麻疹(はしか)の感染者数は今年、全国で百人を突破し、今後も広がる勢いだ。厚生労働省は五月半ば、全国の市区町村に予防接種を徹底させるよう指針を改定する方針を明らかにしたものの、場当たり的な対応だ。一九七七~九〇年生まれの世代は麻疹の予防接種を一回しか受けていないが、感染症専門医によれば、麻疹の免疫をつけるには、二回以上の接種が欠かせないという。今回の流行の中心もこの世代で、厚労省が予防接種行政を抜本的に改革しない限り、これからも麻疹の流行は間欠泉のように繰り返す。
厚労省がまず取り組むべきは、一回しか接種していない人に早急にワクチンを打つことだ。麻疹、風疹などの疾病が流行した場合には「臨時の予防接種」という枠組みがあり、国主導で定期接種の年齢とは別に輸入ワクチンを含むワクチンを接種できるが、厚労省がこれを推進する気配もない。
欧米から「十年以上遅れている」
予防接種行政を主導するのは医系技官で、彼らが怖れるのは、ワクチンが不足する事態だ。今回の流行で医療機関には自費でワクチン接種を希望する人が殺・・・
厚労省がまず取り組むべきは、一回しか接種していない人に早急にワクチンを打つことだ。麻疹、風疹などの疾病が流行した場合には「臨時の予防接種」という枠組みがあり、国主導で定期接種の年齢とは別に輸入ワクチンを含むワクチンを接種できるが、厚労省がこれを推進する気配もない。
欧米から「十年以上遅れている」
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