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社会・文化

国立大にも「淘汰再編」の号砲

名古屋大・岐阜大「統合」の真相

2018年6月号

「教職員に知らされたのは四月に入ってから。寝耳に水だった」
 岐阜大学工学部の某教授はこう語り、今回の名古屋大学との合併話が同大の森脇久隆学長周辺が主導したトップダウン案件だったことを打ち明けた。四月十八日、名古屋市内で国立大学法人の名大と岐阜大が正式な統合協議に入った。当初から、両校の完全合併は目指しておらず、統合学校法人の下に二つの大学がぶら下がる「持ち株会社方式」になる。五月二十一日には、統合後の教職員人事権を統合学校法人のトップが握ることも決まり、準備は着々と進んでいる。
 文部科学省が進めたい国立大学の再編。その試金石になる今回の統合だが、背後には名大側のしたたかな計算が見える。旧帝国大学が「駅弁大学」に歩み寄ったのはなぜなのか。そこには今後の再編を読むヒントがある。
「普通に考えれば名大側のメリットはほとんどない」
 国立大学の内情に詳しい京都大学のある関係者はこう指摘する。事務職員を中心にリストラができるとはいえ、岐阜大という普通に考えればお荷物としかいえない学校法人を背負い込むことになるからだ。しかも、「岐阜大学」という名前も学校・・・