殺人急増ロンドンの「少年ギャング団」
「二百五十組織」が荒れ狂う流血の街
2018年5月号
英国ロンドンで、ギャング・グループによる殺人事件が急増し、四月上旬には早くも今年の死者が五十人を突破、近年最悪の事態に陥っている。主力は十~二十代の若者で、十代前半からギャング団に加わる例も多く、ロンドンだけで二百五十もの組織がある。
ギャング団は殺人や傷害をユーチューブやツイッターで誇示し、これが対立組織の報復を招くという悪循環を生んでいる。福祉や教育費を削減してきた保守党政権の責任を問う声も強まっており、首都の治安悪化は喫緊の政治問題に浮上している。
国家犯罪対策庁が扱う深刻な事案
今年の殺人事件で、最も衝撃的だったのは、北ロンドン・トッテナムで四月に起きた十七歳の女性殺害だった。タネシュ・メルボーンさんは、車に乗っていた男に背後から射殺された。地元のギャング団は直後にSNSで、「男をやった。その女も片付けた」などと犯行声明を出した。
タネシュさんは高校に通いながらアルバイトをし、地域の子供を支援するボランティア活動もこなしていた。ギャングとは無縁で、家族は「本当にいい子。人違・・・
ギャング団は殺人や傷害をユーチューブやツイッターで誇示し、これが対立組織の報復を招くという悪循環を生んでいる。福祉や教育費を削減してきた保守党政権の責任を問う声も強まっており、首都の治安悪化は喫緊の政治問題に浮上している。
国家犯罪対策庁が扱う深刻な事案
今年の殺人事件で、最も衝撃的だったのは、北ロンドン・トッテナムで四月に起きた十七歳の女性殺害だった。タネシュ・メルボーンさんは、車に乗っていた男に背後から射殺された。地元のギャング団は直後にSNSで、「男をやった。その女も片付けた」などと犯行声明を出した。
タネシュさんは高校に通いながらアルバイトをし、地域の子供を支援するボランティア活動もこなしていた。ギャングとは無縁で、家族は「本当にいい子。人違・・・