財務省を「再建不能」にした官邸
安倍「情実人事」が不祥事連発の真因
2018年5月号
「週刊新潮」が公表した福田淳一前財務事務次官のセクハラ問答は、品性下劣な言葉の数々にあえて耳目を塞げば、森友学園問題に関していくつかの興味深い機微をうかがわせる。
記者「佐川さん(宣寿前国税庁長官)の証人喚問終わって、(公文書改ざん)調査のめどは」
福田「矢野(康治官房長)に聞いてくれよ。矢野で止まってる。僕はもう仕事なくなってるから」
他の取材にも繰り返していた。
「俺はやることがないから」
「俺は今、暇だから。朝(役所に)来て新聞読んで、うんこして話聞いて、夕方から飲んで終わりだよ。頑張ってないよ」
追及をかわす方便ではない。改ざん問題が露見して以来、福田は全く表に出て来なかった。初めて公に登場したのが、図らずも自らのセクハラ問題である。
佐川と同じく、逃げていたからだ。改ざんは佐川をトップとする理財局内限りの不正で、官房も事務次官も一切無関係という対処方針で臨んだ。懲戒処分が省幹部に広がるのを極力軽減して組織を守る、危機管理策とは名ばかりの、つまりは保身である。
記者「森友案件・・・