《クローズ・アップ》山口 貢(神戸製鋼所新社長)
存続危機で抜擢された「傍流人材」
2018年4月号
不祥事の歴史に新たな一ページを昨年加えた神戸製鋼所で、引責辞任した川崎博也会長兼社長(六十三歳)に代わって、山口貢副社長(六十歳)がこの四月から後釜に座ることになった。品質データ改ざん事件が明らかになってから六カ月も張本人のトップが居座った結果、社内外の状況は一段と悪化、業界内では山口新社長への同情論すら出る中での船出となる。
状況は深刻だ。表面的には二〇一八年三月期決算は経常損益で黒字転換する見込みで危機という印象は薄いが、内実は米当局から巨額の制裁金が科される可能性、国内外で広がりつつある製造物責任を問う代表訴訟の嵐、とりあえずは神鋼製品を使い続けている自動車、家電メーカーなどの主要顧客からの契約打ち切りはこれから本格化するからだ。ユーザー企業の多くは神鋼の代替調達先にメドを付け始めており、一九年三月期から売り上げ減少が現実化するとみていい。
「神鋼のブースだけ、学生が一人も寄りついていなかった」。今年の就職戦線に参加する大学生の間で話題になっているのが、各地の共同企業説明会での神鋼ブースの閑散ぶり。「訪問学生ゼロという会場も多い」(就職情報会社)。大学生は・・・
状況は深刻だ。表面的には二〇一八年三月期決算は経常損益で黒字転換する見込みで危機という印象は薄いが、内実は米当局から巨額の制裁金が科される可能性、国内外で広がりつつある製造物責任を問う代表訴訟の嵐、とりあえずは神鋼製品を使い続けている自動車、家電メーカーなどの主要顧客からの契約打ち切りはこれから本格化するからだ。ユーザー企業の多くは神鋼の代替調達先にメドを付け始めており、一九年三月期から売り上げ減少が現実化するとみていい。
「神鋼のブースだけ、学生が一人も寄りついていなかった」。今年の就職戦線に参加する大学生の間で話題になっているのが、各地の共同企業説明会での神鋼ブースの閑散ぶり。「訪問学生ゼロという会場も多い」(就職情報会社)。大学生は・・・