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経済

《地方金融の研究》尼崎信用金庫

「阪神ファン」が頼りの危うい経営

2018年4月号

 三月三十日に開幕した今年のプロ野球公式戦。これから十月初旬までセ・パそれぞれ六球団によるペナントを賭けた熱い戦いが始まる。
 そんな中、いままさに佳境を迎えているのが「がんばれ阪神タイガース定期預金」の獲得活動だ。展開するのは「あましん」―阪神タイガースの本拠地・甲子園球場のある兵庫県西宮市に隣接した尼崎市に本店を置く尼崎信用金庫だ。一九九九年に取り扱いを開始した同金庫の看板一年物定期で、今年の商品名は「必勝虎願」。二位に終わった昨シーズンの悔しさをバネに「今季こそはリーグ優勝」の願いを込めた。
 発売二十年目となる今年は商品内容も一段充実させた。タイガースが優勝すれば十月末で元本十万円以上の残高がある預金者に抽選で全国百貨店共通商品券五万円分、二位で三万円分、三位で二万円分が各一万本当たる(十万円ごとに一本の抽選権を付与)といった枠組みは昨年と同じだが、万一、Bクラス(四位以下)に転落した場合でも一万円分を一万本配布。加えてタイガースがクライマックスシリーズ、日本シリーズを勝ち抜き日本一になった場合には重複当選なしで商品券五万円分、日本一を逃しても同三万円分を各・・・