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インド高速鉄道事業に沈む日本

膨張する工事費に消える「血税」

2018年4月号

 インドの商都ムンバイと西部の工業都市アフマダーバードを結ぶ高速鉄道が、いよいよ今年中に正式着工する予定だ。インドのモディと、日本の安倍晋三という両首相がタッグを組み日本の新幹線方式を導入することになったプロジェクトだが、早くも不安要素が山積している。最大の懸案は膨れ上がる工事費用。インド政府の行き当たりばったりの対応によって、費用は増加する一方で、日本の政府、企業が泥沼に片足を突っ込みつつある。
 二〇一五年十二月の日印首脳会議での両国合意からわずか二年弱。昨年九月十四日にアフマダーバードでモディ、安倍両氏が出席して大々的な起工式が挙行された。総工費は一兆八百億ルピー(約一兆八千億円)、そのうち建設にかかる八千八百億ルピー(約一兆四千六百億円)が年利〇・一%の円借款で賄われる。償還期間は五十年と「破格の待遇」(外務省関係者)になっており、日本政府がどれだけ前のめりかがわかる。起工式の席上、モディ首相はこう語った。
「日本はほとんど金利ゼロで資金を提供してくれた」
 インド側の感覚とすれば、「日本が建ててくれる」というのが偽らざる本音なのだろう。あるインド・・・