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社会・文化

慈恵医大が被災地医療を「喰い物」に

福島賠償金にタカる外科医たち

2018年3月号

 東日本大震災から七年を迎える。被災地以外の者の記憶は、年を追うごとに薄らいでいく。だが岩手県や宮城県、そして東京電力福島第一原発事故の惨禍に見舞われた福島県では、化膿した傷痕のように今も人々の生活と心を蝕む。逆境につけいり、被災地の医療を「喰い物」にしていると批判されているのが、私大医学部の名門・東京慈恵会医科大学附属病院(東京・港区以下、慈恵医大)だ。中心人物とされる大木隆生・慈恵医大外科教授とその部下たちは、「被災地支援」とはかけ離れた身勝手な利得行為にふけっており、被災地からは悲鳴が上がっている。
 舞台は、福島県南相馬市の青空会大町病院だ。一八七七年(明治一〇年)の設立で、地元の名家である猪又家が経営してきた。現在、院長を務める猪又義光氏は五代目。一九六九年に慈恵医大を卒業した外科医である。元は猪又病院だったが、医療保険への不正請求が二〇〇四年に発覚。猪又病院は同年三月に保険医療機関の指定が取り消されたが、地域の中核医療機関として、地元から継続を要望された。福島県は「猪又家が経営に関与しないという条件付き」(大町病院関係者)で、新法人の青空会が診療を継続することを認・・・