中国で日本企業を襲う「詐欺クレーマー集団」
高額賠償金に苦しみ「撤退」も
2018年3月号
中国で加工食品の包装に印刷された成分、原料や消費期限などにクレームを付け、賠償金をメーカーなどに要求するプロのクレーマーが跋扈し、日本企業を悩ませている。二〇一五年の中国の食品安全法改正で、虚偽記載や誤記に対し、商品価格の十倍の賠償が義務づけられたことがきっかけ。一件あたりの賠償額は数十万円から数百万円だが、クレーマー集団は蟻がたかるように襲いかかるため賠償金が膨張、業績に影響が出る企業が出始めた。訴訟で撃退しようにも裁判費用の方が割高なため泣き寝入りせざるを得ない。一見、微々たる話だが、これが新たな中国リスクになろうとしている。
でっちあげに「十倍返し」
「お宅の商品を買った消費者から、生産期日が印刷されていなかったとのクレームが持ち込まれている」。広東省に本社工場を置く日本の食品メーカーに突然、地元の工商局から電話が入った。工商局は日本で言えば経済産業省と厚生労働省の出先を合わせたような存在で、企業のお目付役。一個二十五元(約四百二十円)の商品七点の外箱に印字されているべき消費期限がなかった、という。工・・・
でっちあげに「十倍返し」
「お宅の商品を買った消費者から、生産期日が印刷されていなかったとのクレームが持ち込まれている」。広東省に本社工場を置く日本の食品メーカーに突然、地元の工商局から電話が入った。工商局は日本で言えば経済産業省と厚生労働省の出先を合わせたような存在で、企業のお目付役。一個二十五元(約四百二十円)の商品七点の外箱に印字されているべき消費期限がなかった、という。工・・・