市販薬トップの大正製薬ホールディングス（ＨＤ）とドラッグストア大手の一角、マツモトキヨシＨＤが何やら“暗闘”を繰り広げているらしい。
　発端は大正製薬が昨年春、マツキヨに突き付けたとされる、販売奨励金の引き下げ要請だ。大正製薬ＨＤの連結売上高は、このところじりじりと下がり続けている。二〇一四年三月期に二千九百五十九億円を叩き出して以降、一五年三月期二千九百四億円、一六年三月期二千九百一億円と漸次後退。一七年三月期には三年連続減収となる、前期比三・六％減の二千七百九十七億円にまで縮小した。
　これに危機感を強めた創業家出身の上原明会長が打ち出したのが、コスト構造の総点検。費用対効果を綿密に洗い直し、不要不急やムダな経費支出にメスを入れようというものだが、このなかで浮き彫りになったのが、マツキヨへの「販売促進費の異様な突出ぶり」（関係者）だ。他の大手ドラッグストアチェーンと比べて大正製薬製品の販売が見劣りするにもかかわらず、マツキヨへの販促費の支払いだけが大きく膨らんでいたのだ。
　だが、かつては業界首位の座を謳歌したマツキヨも懐具合・・・