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政治

「国会劣化」こそ最大の国難

安倍一強下で「官僚主導政治」が復活

2018年3月号

 安倍晋三政権が二〇一八年の通常国会で最重要案件と位置づける「働き方改革」をめぐり、中身とともに批判の矛先が向かっているのが、複数の法案をまとめて国会に提出し、審議・採決する「一括処理」の手法だ。「『安倍一強』の驕りがなせる国会軽視」と紋切り型に見ていると、問題の本質を見誤る。より深刻な弊害は、総理大臣官邸主導を隠れ蓑にした官僚主導の復活であり、立法府の劣化をもたらしている点にこそある。
「働き方改革国会」と銘打ちながら世論の関心もメディアの扱いも低調だった状況は、二月十四日の衆議院予算委員会で安倍が、実態を反映していない厚生労働省のデータを基に「裁量労働制で働く人の方が一般労働者よりも労働時間が短い」とした従前の答弁を撤回したことで一変し、文字通り、最大の焦点となってきた。都合のいい情報に飛びついた行政トップの勉強不足と、総理大臣に「虚偽」まがいの答弁をさせた官僚の失態を野党が問題視するのは当然としても、そればかりに時間と労力を割けば、国会審議の手法の問題にスポットライトが当たらなくなる。

「熟議より効率」の安易な手法・・・