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社会・文化

ゼネコン談合で特捜部が狙う「その先」

リニア事件は四社「密告合戦」の様相

2018年2月号

 東京地検特捜部と公正取引委員会が、大手ゼネコン四社(鹿島、大成建設、清水建設、大林組)を強制捜査したリニア中央新幹線建設工事の談合事件。大手ゼネコン各社を主目標とする検察の強制捜査は過去十年なかったため、ゼネコン利権にメスを入れてきた特捜部の久々の復活を印象づけた。
 談合事件を起点にしたゼネコン業界と縁が深い政界への捜査も期待されているが、「未知数としか言いようがない」(検察関係者)。また、安倍晋三首相と親密な葛西敬之名誉会長が君臨してきたJR東海発注のリニア工事が事件の舞台となっているだけに、「公的資金を含む九兆円の国家プロジェクトの内実、安倍政権とJR東海の関係に捜査が迫るのではないか」との観測も生まれているが、JR東海は談合事件の被害者の位置づけのため、その観測は現段階で現実味を帯びていないという。
 しかし、複数の大手ゼネコン幹部がおびえるのは、特捜部が四社本社の土木営業本部などへの家宅捜索で押収した大量の資料の存在だ。ある幹部は「外に出してはまずい、刑事事件につながりかねない機密資料が含まれているのかどうかつかみかねている」と話す。談合事件の捜査が佳境・・・