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経済

三菱重工MRJ「開発断念」の時近し

国策民営会社の「老衰」が一層進行

2018年2月号

 三菱重工業が社の命運をかけるリージョナルジェット機「MRJ」の開発断念、つまり“葬式”を出す日がいよいよ近づいてきた。
「このままでは東芝を壊滅に追いやったWH(ウエスチングハウス)と同じことになってしまう」
 三菱重工幹部は呻いた。この幹部をして、ここまで言わしめたのは、米国から飛び込んできたあるニュースのせいだった。
 米ウォール・ストリート・ジャーナル紙は昨年末、米ボーイング社がブラジルの航空機メーカー「エンブラエル」の買収を検討していると報じた。この一報に三菱重工幹部らは凍りついた。
 なぜなら、世界第三位の航空機メーカー「エンブラエル」の主力商品は客席数百人前後のリージョナルジェット。まさにMRJが参入しようとしている市場であり、「エンブラエル」が今年から納入予定の次世代リージョナルジェット「E2シリーズ」に使われているエンジンは、低燃費、低騒音をウリにしている米プラット・アンド・ホイットニー社(P&W)のGTFエンジン。MRJが最大のウリとする低燃費、その切り札とまったく同じエンジンなのだ。
 そも・・・