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WORLD

米中露「核軍拡競争」の新時代

実戦「先制使用」に重きを置く米国

2018年2月号

 米国とロシア、中国が新たな核軍拡競争に入った。ドナルド・トランプ大統領の下でまとめられた、最新の「国家防衛戦略」と「核戦略見直し」では、トランプ政権の新しい核戦略が明示され、核兵器の破壊力を従来よりも大幅に減らし、より核兵器使用のハードルを下げ、ライバルを威嚇することが米核戦略の中核にすえられた。
 これに対してロシアは、米国の最新鋭型よりも強力な、核兵器搭載の原子力潜水艦をまもなく就航させる予定で、先制攻撃力と共に報復攻撃力も向上させて、米国を抑止する構えだ。核戦略で両国に大差をつけられている中国も、核戦力の近代化を急いでいる。太平洋と大西洋では東西冷戦終結以来、最大の規模で大国が核戦力を誇示し合う、非常に危険な事態が近づいている。

ロシアの「世界一怖い原潜」

 米欧の軍事関係者をうならせたのは、昨年十一月のこと。ロシアが最新鋭原潜「クニャージ・ウラジーミル(ウラジーミル大公)」の進水式を、映像で公開したのだ。
 深くかつ長く鳴り響く汽笛と、原潜特有の低いタービン音がセヴマシュ造船所(・・・