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政治

《罪深きはこの官僚》丸山則夫(外務省報道官)

「税金でワイン」の駄目外交官

2018年1月号

 一国の外交部門の報道官といえば、その国の「顔」である。米FOXニュースの人気キャスター出身のナウアート米国務省報道官しかり、容姿端麗で毅然とした答弁で知られる華春瑩・中国外交部報道官しかり。一方、わが国の外務省報道官の影は薄いが、現在の丸山則夫は「その中でも特にひどい」(外務省担当記者)と悪評紛々だ。
 毎週水曜日に外務省内で開催される報道官の定例会見。丸山はあらかじめ用意された原稿を読み上げ、紋切り型の答弁に終始する。最近では記者側から質問が一回も出ずに終わるケースさえ珍しくないという。
 二〇一七年一月に現在のポストに就いた丸山は、記者からの質問に対してペーパーを超える回答を徹底的に避けてきた。そのため、「質問をしても無駄」と判断した記者側が会見を切り上げてしまうのだ。ある全国紙外務省担当記者は「意味がないと分かっていてもさすがに無視することはできない。仕方なく若手記者が出席するようにしているが、それさえも時間の無駄だ」と溜息を漏らす。
 丸山は一九八三年に東京大学経済学部を卒業し外務省に入省。フランス語研修組で、これまでにアフリカ第一課長や欧州局政・・・