三万人のための情報誌 選択出版

書店では手に入らない、月刊総合情報誌会員だけが読める月間総合情報誌

社会・文化

女子スケート「大化け」の理由

平昌でのメダルラッシュは確実

2018年1月号

 冬季五輪・平昌大会が開幕する二月九日が迫る中、日本選手によるメダル獲得の期待が日増しに高まっているのが、女子スピードスケートだ。今季ワールドカップ(W杯)での活躍は目を見張るものがある。「オランダ流」トレーニングの導入や、所属チームの垣根を越えたナショナルチーム(NT)による強化が優勝や新記録ラッシュに繫がっている。この競技では一九九八年長野大会で男子五百メートルの清水宏保以来となる金メダル、それも複数の獲得が夢ではないところまで来ているのだ。
ソチでの挫折とオランダ留学
 今季絶好調の日本女子陣だが、これまでの五輪は苦戦続きだった。個人種目のメダル獲得は九八年長野大会五百メートルの岡崎朋美の銅メダルが最後と、なんとも寂しい。二〇一〇年バンクーバー大会のチームパシュートで小平奈緒、田畑真紀、穂積雅子の三人が銀メダルを獲得したが、前回ソチ大会ではメダルなしに終わった。
 そうした状況を大きく変えた要因のひとつが、オランダ流トレーニングの導入だ。先鞭をつけたのは、ソチ五輪でメダル獲得が期待されながら五百メートル五位、一千メートルでは十三位に沈んだ小平だった。・・・