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社会・文化

内科医・外科医「地方急減」の衝撃

厚労省の愚策で「専門医偏在」加速

2018年1月号

 日本の地方都市から内科医と外科医が消えていく―。そんな信じ難い悪夢が現実化するという調査結果を入手した。この二つの診療科目で新たに医師となる人数は激減の一途を辿る。こんな事態に陥ってしまった訳は、今年春から専門医の認定制度が変わるからだ。
 三十路を過ぎるまで専門医として認められない。しかも内科と外科の専門医になるためには僻地勤務を義務づけた―一般社団法人日本専門医機構(吉村博邦理事長、東京・千代田区)と背後の厚生労働省が画策した制度改悪により、両科の専門医を志す有為な人材の中から、眼科や耳鼻科へ流れる者が増えるばかり。質の高い専門医の輩出を謳う美辞麗句が、逆に日本の医療を腐朽させる。この愚策を是正しない限り、座して地域医療の崩壊を待つしかないのだ。
 日本専門医機構の資料を基に研究者が解析したデータを入手したところ、衝撃の内容が目に飛び込んできた。秋田、福井、香川、徳島、鳥取、島根、山口、高知、宮崎。この九県では二〇一八年度、新たに内科を専攻する医師は十五人以下になると明記されている。外科の項目に目を転じると、そこにも「外科医消滅県」が列挙されている。青森、群馬・・・